はじめに

 情報システム関係の仕事を始めたのは、大阪の千里中央で「万博」が開催された年だった。 大学を卒業し、明確な職業選択意識があった訳ではないが、当時最先端と思われていたコンピュータ関係の仕事に就くことができたことはチョッピリ誇らしいと感じることもあった。

 大学時代、研究活動の中でコンピュータを利用することも多く、コンピュータとは無縁ではなかったが、企業で活用されるコンピュータの側面は、知っていた世界とは大きく異なることに驚かされたのは、今でも鮮明な記憶である。 コンピュータはその言葉通り、「計算する機械」であったが、仕事の中で取り組まなければならないのは、「計算させる」ことではなく、会社の業務を処理することであった。 会社の業務を知らない者にとって、コンピュータが何の役に立つのかを理解することは、「難しい」と言うより、別世界であった。

 そんな人間が、情報システムの世界で人生の大半を過ごすことになり、今何を思い、これからの時代をどう捉えようと足掻いているのかと言ったことを思いつくまま、書いてみたいと思った。 ゆっくりではあろうが、自身の考えの整理に役立てば思っている。

~~~ はじめに ~~~